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薬学生必見!新人リクルーターのおくすりナビ Vol.7

 

こんにちは!新卒採用リクルーターとして活動中のグラム薬剤師です。

スタチン系とは違うコレステロール治療の新薬が登場しました。
その名も ベムペド酸!

今回は、新薬の解説と一緒に国試対策もやっていきましょう!

ベムペド酸の基本情報

  • 一般名:ベムペド酸
  • 販売名:ネクセトール錠180mg
  • 薬の種類:脂質異常症治療薬(ATPクエン酸リアーゼ阻害薬)

新薬はどんな薬?

ベムペド酸は肝臓のACSVL1でのみ活性化されるプロドラッグです。
筋肉にはACSVL1がほとんど存在しないため、筋肉への影響が少なく、副作用が起こりにくい特徴を持っています。

活性化された後はATPクエン酸リアーゼ(ACL)を阻害し、コレステロール合成を抑制することでLDLコレステロールを低下させます。
図のとおり、作用点がスタチンより上流にあるため、スタチンの効果を補完できるのも大きなポイントです!


実臨床ではどんな患者様にいいの?

筋肉への影響が少ないため、筋肉痛や横紋筋融解症に付随した症状が出ている患者様に適しています。

これまでスタチンによる副作用で治療が難しかった患者様でも使用でき、
さらにスタチンで十分な効果が得られなかった患者様への追加治療薬としても期待されています。

作用点が異なるため、スタチン系やエゼチミブとの併用が可能なのもメリットです。


副作用は?

注意すべき副作用は**高尿酸血症(痛風)**です。

ベムペド酸は腎臓における尿酸輸送を媒介する**有機アニオントランスポーター2(OAT2)**を阻害することで、血清尿酸値を上昇させると考えられています。これは「体の中に尿酸がたまってしまう」という現象です。

血中尿酸値の上昇は通常、治療開始後4週間以内に現れますが、治療を中止するとベースライン値に戻ることが多いです。つまり一過性であり、やめればすぐ改善するのが特徴です。

治療を継続する際には、尿酸排泄促進薬の併用が重要です。これらは尿細管での尿酸再吸収を阻害して作用を発揮します。

代表的な薬剤:

  • ベンズブロマロン
  • プロベネシド
  • ブコローム
  • ドチヌラド

ベムペド酸は尿酸生成を促進するわけではないため、生成抑制薬ではなく排泄促進薬を併用するのがポイントです。


今後の試験対策!

今年の国試には新薬は出ないかもしれませんが、来年以降は生合成回路やクエン酸回路が試験に出る可能性があります。

特にクエン酸回路では以下の3つのポイントを覚えておきましょう:

  1. ミトコンドリアのマトリックス内で起きる
  2. 不可逆反応が存在する
  3. クエン酸回路1周で 3NADH、FADH₂、2CO₂、そしてGTP(ATP) が生成される

今のうちに生物の生合成回路や今回登場した薬剤の特徴を振り返っておきましょう。
国試もあっという間にやってきます!
「わからない」を少しずつ減らして、合格に近づいていきましょう!


🌟 次回の 新人リクルーターのおくすりナビ もお楽しみに~!✨

 

出典:大塚製薬 公式ホームページ (https://www.otsuka.co.jp/)※本資料は大塚製薬インタビューフォームを参考に作成
マインドマップ薬学「すべての道はクエン酸回路に続く【ゴロで分かりやすく解説】」( https://yakugaku-gokaku.com/3842-2/